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魔理沙タンと奇怪な仲間達

出典:春符「東方シリーズ総合スレッド 2/3」・351


ナレーター(以下ナ「東方スレでスコアプレーの是非で盛り上がっている(?)中、
          ここ、幻想郷は今日も平和だった。
          その出来事の一つを紹介して見よう」

ナ「博麗 霊夢は妖怪退治の名目で空を飛んでいた。その時目にした奇怪な光景とは…?」

魔「みなさん、お騒がせしております。魔法少女党の霧雨、霧雨魔理沙でございます。
 宜しくお願いします。霧雨魔理沙は、とろくさいニードルを放つ博麗政権を打ち倒し、
 皆さんが安心する弾幕社会を作ります。ありがとうございます、おさわがせしております」
霊「ちょっちょっ、あなた! ナニやってるのよ!?」
魔「何って、センキョカツドウだぜ?」
霊「…何よそれ」
魔「知らん。何でも、外の世界ではこのセンキョカツドウがナウなヤングに馬鹿受けらしいぜ」
霊「…そうですか。って、そんなの誰に聞いたのよ?」
魔「紅魔館のメイド」
霊「(奴か…)まぁ、あなたが何をしようと勝手だけど、私を巻き込むのはよしなさいよ」
魔「まー、いいじゃんか。それに、結構好評だぜ?」
レ「魔法少女党ねぇ…。頭が春の博麗政権よりはマシかしら」
咲「…どっちもどっちと思いますよ」
魔「な?」
霊「な? じゃないわよ! って、そこのメイド! あんたのせいか、そこ動くな!」
咲「あら、私を撃墜するつもり? いいわ、受けてたとうじゃない」
魔「お、面白くなってくたぜ」
レ「私は咲夜が勝つほうに賭けようかしら」
フ「私は今日も地下でお留守番…ああ、暇」

ナ「こうして、今日も幻想郷には弾幕で溢れ返るのだった…。
  次回、新しい人形欲しさにアリス、弾幕アルバイトを始める!? をお送りします(嘘
  待て、次回(続きません」

迷探偵魔理沙

出典:春符「東方シリーズ総合スレッド 2/3」・961-962


魔理沙「わかったぜ!チルノを撃墜した犯人が!」
霊夢「本当に!?で、それは一体誰なの?」
魔理沙「ふふふ、犯人はレティ・ホワイトロック!あんたしか居ない!
    黒幕であるあんたが、チルノを撃墜したんだ!!」
レティ「ちょっと待って、私は黒幕だけど普通よ!同じ氷系ボスを撃墜するわけないじゃない!」
パチュ(あーあ、どういう推理よ。仕方がない、ここはまた魔理沙を眠らせて…)
ピシュッ
魔理沙「うおっ……チクッときたぁ
    …レティが犯人というのは冗談だぜ。霊夢、被害者の裾のあたりを良く見てくれ。」
霊夢「これは…何か刃物で切られたような後が…」
魔理沙「そう、それはクナイ弾でかすった跡。
    恐らくチルノは、次期主役を目指してカスリの練習をしていたんだろな。」
霊夢「たしかに連続したクナイ弾とレーザーは、手軽にカスリ数を稼げる攻撃ではあるけど…
   でも、チルノは米粒弾に被弾したんだって言ってたじゃない!」
魔理沙「そう。チルノはクナイ弾にかする事に夢中になって、米粒弾に当たった。
    そして米粒弾とクナイ弾、両方を使うキャラは一人しかいない!!
    何より、こういう推理モノでは一番目立たない人物が犯人だと決まってる!
    そう、犯人は……」


魔理沙「そう、犯人は……紅 美鈴、あんただ!!」
霊夢「な、なんだって!?」
美鈴「……そうよ、私が撃墜(おと)したのよ。
   憎かったのよ!2面ボスのくせに、ストーリーと微塵も関係ないくせに私より人気だなんて
   しかもレーベル絵まで飾って、続編にまで出て、エラそうに腕組みまでしちゃって……」
霊夢「………。」
レティ「美鈴…あなたの気持ち、よくわかるわ。中ボスで弱いくせに私より人気があるんだもん。
    あなたが撃墜してなかったら、私が撃墜してたわ。」
チルノ「ちょっと待った!レティ、今のはどーいう意味だ!?」
霊夢「はいはい、死体役は動いちゃダメよ。」
チルノ「探偵ゴッコなんてもう関係あるか!レティ、どっちの方が弱いか、今から白黒つけてやる!!」
レティ「私はどっちかというと白ね。」
チルノ「ご ま か す な 〜 ! !
    表に出ろ!勝負だ!!」

そして本当に撃墜されるチルノ

酒飲み魅魔様とルーミア

出典:皐符 「東方シリーズ総合スレッド 5/5」・54,64,92-93


魅魔「たっだいまー!」
魔理沙「魅魔様、いつもいつも朝帰りするなよ。」
魅魔「ねえ、ま・り・さー。朝ごはん作ってー。」
魔理沙「うわ酒くせー、こっちに抱きついてくるなって!」


魔理沙「で、(紅姉妹が魔理沙宅を壊してる間)何処に行ってたんだ?」(それにしても酒くさいぜ)
魅魔「あはははっ!そりゃ神社に決まってるじゃない!
   でさ、霊夢ったらさ〜、っぷぷ、あははははは!!」
魔理沙「笑い上戸だ…」(それにしても酒くさいぜ)
魅魔「――でもね、それなのに霊夢ったら『今度来たら二重結界使うからね!』とか言うのよ
   酷いと思わない?うっ、ううううぅ……」
魔理沙「今度は泣き上戸か…」(それにしても酒くさいぜ)
魅魔「ちょっと魔理沙、ちゃんと聞いてるの!?だいたいね、あなたは普段から…」
魔理沙「説教まで始まった…」(それにしても酒くさいぜ)
魅魔「もう怒った、魔理沙なんてこうしてくれる!
   ほれほれぇ、嫌がってても体は正直じゃのー。むぷぷぷぷ…」
魔理沙「ぎゃーーー!」(それにしても酒くさいぜ)

ルーミア「…深夜徘徊してたら、凄いものを見てしまった……」
魅魔「んぁ〜、闇の気配がするわ。誰かお客さん〜?それとものぞき〜?」



ルーミア「ギク」
魅魔「だれ〜?隠れてないで出てらっしゃ〜い。」
ルーミア「完全に気づかれてる…ここは諦めて出ていこう…
     ど、どーもこんばんわ。宵闇の妖怪、ルーミアと申しますー。」
魅魔「ルーミア?ああ、以前魔理沙がこてんぱんにノシてやったって妖怪ね。
   まま、こちらに来て座りなさいって。」
ルーミア「ハ、ハイ。お邪魔します…」(おのれ魔理沙め)
魅魔「まーアレね、悪霊とか妖怪って、駆け出しの頃はけっこうザコ扱いだからね。頑張って精進なさい。
   …そういえば魔理沙が、ザコなだけでなく目立たないって言ってたわね。人気投票も13位だし、紅魔境キャラ中最低じゃない。」
ルーミア(さらっと酷いこと言われた…)
魅魔「やっぱり、手っ取り早くインパクトを与えるには衣装を変えるのが一番よ。
   そんなアナタにいい物を用意したわ。本当は魔理沙のために人間の店からパクってきたんだけど。さあ、どれがいい?」
ルーミア「えーと…?エプロン付き魔女服、巫女装束、ねこみみメイド服、美少女戦士セーラー服、
     スク水、パチュリーのネグリジェ、弾幕仮面変身セット…
     ……この中から選ぶんですか?」
魅魔「たうぜん、たうぜん。」
魔理沙(一体何の店からパクってきたんだろ…ていうか私が着せられる予定だったのか)


ルーミア「じゃ、じゃあメイド服で…」
魅魔「”ねこみみ”メイド服ね?OK、じゃあ耳つけるのに邪魔だからそのリボン取って。」
ルーミア「あ、このリボンは……」
魅魔「ん?よく見たら封印されてて取れないみたいね。小賢しいわ、私が解いてやる!
   おりゃああぁぁーーーーーーーーーっっっ!!」
魔理沙「み、魅魔様、着替えくらいのためにそんな凄いオーラ出さなくったって!?」
魅魔「ふうんっ!!………取れた!」
ルーミア「あ、や、やっと封印が…フオオォォォッ……!」
魅魔「あ、あれ?ルーミアちゃ〜ん?」
メキメキメリメリゴリバキモリバロパチュムキパフォ
魅魔「あ、あらら?みるみる凄い姿に…もしかしてミマちゃん、とんでもない事しちゃったカナ?」
魔理沙「かわいこぶって誤魔化すなぁーーー!!」
ルーミア「POoooooooooo!!」
魅魔&魔理沙「ぎゃーーーーー!!」





魔理沙「……という夢を見たんだ。」
霊夢「夢オチかい!!」
魔理沙「いやいや、案外本当かもしれないぜ?
    昨日の夜は魅魔様にしこたま飲まされてて、記憶があいまいだからなー。」
霊夢「まさかぁー。」




ルーミア「フフッ……」

魔理沙タンと奇怪な仲間達外伝

〜 死闘!? 魔理沙VS偽魔理沙 〜

出典:うpろだ


第一話「魔理沙の果てに」

「あ〜あ、暇ねぇ……。何か面白い事ないかしら?」

 私は博麗神社の巫女、博麗霊夢、今は何と仕事(妖怪退治)の真っ最中。
 というのも、神社に居るとレミリアが毎日遊びに来るため、仕事に行かないと
 大変な目に会うのだ。

「といっても、まだ昼間だから妖怪が少ないわ。ぅ〜ん……久しぶりに魔理沙の家にでも
いってみようかしら?」

 そう思い、進路を霧雨邸へ向けたときだった。
 見覚えのある姿が、私の視線へ飛び込んできたのだ。

「あら、あそこにいるのは魔理沙じゃない? おーい、魔理沙〜」

 そういうと、魔理沙はハッとしたような表情をして、その場に立ち止まった。
 立つ、といっても、空を飛んでいるわけだけど、その辺りは気にしない。
 よく見ると、魔理沙はどうも落ち着かない様子でもじもじとしている、何かあったの
 かしら?

「よっ…よう、霊夢。今日はいい天気だぜ」
「どうしたの魔理沙、そんなモジモジしちゃって。あなたらしくないわよ? ちなみに
 『今日も』よ」
「お、おう、いやっ何だ、私らしくはないかもしれないがな」
「……なんだか顔色悪いわよ、何かあった? 熱でもあるんじゃないかしら」
「いや、熱はないんだけどな……。ううん……」

 魔理沙は、視線を落として何か考えるような仕草をすると、やがて何か決心したように
私の方へと向き直った。

「なぁ、霊夢……。その、折り入って相談したいことがあるんだ」
「…何? あなたが相談なんて珍しいわね。何か企んでいるんじゃないの?」

 魔理沙の様子からいって、企んでいるような感じは見受けられなかったが、どうも
 いつもの彼女と様子が違った為、私はつい勘ぐってしまった。
 すると、魔理沙は少しムッとしたような表情をして、こういってきた。

「違うぜ、過ち中の過ち、つまり大過ちって言うんだ、そういうのは。まぁ、立ち話も
 なんだし、お前の神社にでもいってゆっくり話そうぜ」
「ちょっ、ちょっ、何で私の神社なのよ! あなたの家でもいいじゃない。それに、こ
 こからだと神社よりあなたの家のほうが近いし」
「いやっ、ダメだ……散らかってる。くそぉ、あいつめ……後で掃除が一苦労だぜ」
「……はい?」

 よく判らないが、何かあったらしい。
 まぁ、予想の線でいくとレミリア達かしら?
 どうやら、今、毎日のように魔理沙の家の露天風呂に入りにいってるようだし。
 そのたびに、露天風呂を壊されているとか……妹君に。
 魔理沙も苦労が耐えないわねぇ。
 そんなことを考えていると、魔理沙が私の背中を押して促し始めた。

「ささっ、そうと決まればさっさと行くぜ」
「ちょっと〜、まだ私は承諾していないわよ。第一、今私は仕事中よ!」
「いつも仕事しない奴が何いってるんだよ。こんな時にそんなこといっても説得力
 ないぜ? ほら、さっさと行く」
「あなたこそ、そんな焦っちゃってあなたらしくな……うわわ、押すな〜!」
「ほらほら!」

 私の言葉に耳を貸そうともせず、魔理沙は私の背中をぐいぐいと押してくる。
 私は仕方無しに、自分の神社へと歩を進めた。



 今日も今日とて幻想郷は快晴、快適。
 ただ一つ、いつもと違うところを上げるとすれば、私の知り合いの魔法少女、霧雨
魔理沙が不安そうな面持ちで辺りをキョロキョロと見回していることだろうか。
 普段の魔理沙からは到底考えられない素振りだった。
 何かヘンなものでも食べたのか、それとも魔理沙の手に負えないような怪事件でも
起こったのか。
 私は、胡散臭さを感じながらも、いつもと違う状況に少しワクワクしていた。

「…で、一体どうしたの? あ、向かいながらでも話せるわよね」

 魔理沙は苦笑しながら、ゆっくりとした口調で話し出した。

「あっ……ああ、話せるな。いやな、実は、さっき魔術の実験をしていたんだが……」
「ほうほう」
「そこでな〜……ちょっとヘマしてな」
「あなたが失敗するなんて珍しいわね〜」
「一応、私だって失敗はするぜ。……言わないだけでな」
「まぁ、それは承知してるけど」
「うっ……」
「それで、失敗してどうなったの? って、一体どんな実験したのよ〜」
「あ〜っ、それなんだが……。いやな、ほら、アリスの奴が、人形使いに転職したじゃ
 ないか」
「転職……まぁ、間違いじゃないかもしれないけど」
「おう。でな、アレみたいに、何か別の魔力の発生源を生み出して、多重攻撃って
 面白いかなって思ったんだよ」
「ふむふむ」
「で、適当に人形かっぱらってきて、いろいろと実験をしていたら……」

 そういった途端、魔理沙の顔から『ひゅるるるるる』と言う音とともに血の気が引いていくのが判った。
 口をぱくぱくさせながら、何かを必死に指差しているのだ。

「ん?」

 魔理沙が指差した方へ振り向くと、そこには……!


 次回へ続く!


第二話「奴が来る!」

「紅魔館の瀟洒なメイド、十六夜咲夜よ。ここで前回までのあらすじね。
 博麗神社の巫女、博麗霊夢は、暇つぶしとお嬢様の相手から逃亡するため、昼間
 から妖怪退治に乗り出したわ。……くそう、お嬢様をほおっていくなんて、何て
 奴なの。今度、メイド秘技殺人ドールを……話がずれたわ。
 その時、霊夢は知り合いである、自称、普通の魔法使いの霧雨魔理沙に会う。
 いつもと様子が違う魔理沙に戸惑いながらも、神社で話し合おうという結果に
 なり(本人未承諾)、博麗神社に向かう途中、二人の前に現れた奇妙な影が!
 一体、この後二人はどうなってしまうのか!? そしてお嬢様と私の恋の行く末
 はいかに!? ……って、また話がずれたわ。では、続きを楽しみなさい」



「うう……会いたくも無い奴にあっちまったぜ」
「うん?」

 魔理沙の指差す方に視線を向けると、その先には……。

「Hey、You!! そこのビューティフルガール共、お出かけかぃ!?」
「って、何よこいつは〜〜〜〜!?」

 その先には、奇妙な男……というか、性別は男なのか女なのか、分厚いローブに
 包まれて判らないが、とにかく奇妙な人間……というか人間なのかどうなのか、それ
すらも判らないような奴がいた。
 とっても目立つアフロヘアーに、顔にはピエロ見たいな仮面を被り、服装は魔理沙と
全く同じ服装で、マジックハットを装備している。
 帽子には、ご丁寧なのかどうなのか。でかでかと『魔理沙』と書かれたシールが
貼ってあった。
 しかも……何故か、声まで魔理沙と一緒だったのだ。

「……ねぇ、あれは何?」
「……」

 魔理沙は、頭を抱えて動かない。
 どうやら、本当に会いたくなかったらしい、目にはうっすらと涙が滲んでいる…ように
見えた。

「まさか……あれが実験の結果?」
「……おう」

 小さな声で、魔理沙はそう答えた。

「な〜〜〜〜〜〜〜〜っ!? 一体なにをどうやったらあんな珍妙な生物が生まれるわ
 けよ!? どう考えてもおかしいじゃない! 第一あれって生物? 生きてるの?
 夢想封印してもいい? ねぇ、ねえってば! 答えなさいよ〜〜〜〜〜!」
「五月蝿いわ! 私だって何をどうやったらあんな珍妙な生物が生まれるか判らない
 から悩んでいるんだろ〜!? 第一お前が封印できるなら私が既にやってる!
 できないから悩んでいるんじゃないか〜〜〜〜〜〜!」
「Hey、兄弟! 喧嘩はいけないぜHAHAHA!」
「誰が兄弟だ! 私は女だ女!」
「一体何をやったのよ〜」
「いや……アスリからぱくってきた人形にいろいろ実験をしていたら……」
「ああなったわけ〜? って、何でアフロヘアーであんなへんちくりんな仮面被って
るのよ!?」
「それはアリスの奴に聞いてくれ! 第一、本当に実験だったから、一回成功したら
 別の媒体で仕切り直しするつもりだったんだよ!」
「もしかして、あなたアリスに恨み買われてる?」
「……かもな」
「で、失敗しちゃって、目の前にいるのは魔理沙の偽者なんだ……」
「信じたくはないけどな……」

 私達が頭を抱えて悩んでいるのを尻目に、アフロ仮面魔理沙こと偽魔理沙は、
この世のものとは思えない珍妙なダンスを踊っている。
 まるで、私達をあざ笑っているかのようだった。いや、多分あざ笑ってる。

「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!」

 魔理沙は、顔を真っ赤にして必死に何かを耐えている。
 普段なら、こんな表情を滅多に出さない貴重な魔理沙を観察するんだろうけど、
悲しいことに、そんな魔理沙より目の前の偽者のほうに目が行ってしまって、
観察する余裕すらなかった。
 っていうか、魔理沙、そろそろキレるんじゃないかしら。

「Hey、そこの珍妙魔術師! お前ヘンな格好だな! ビシッ!」

 ぶちっ。
 あ……とうとう魔理沙が切れたみたい。今、血管が切れる音がしたわ。
 それはもう鮮明に。

「いいから消えろぉぉぉぉぉぉぉぉ! マスタースパーーーーーク!」

 そういうと、魔理沙の掲げた両手にまばゆいばかりの閃光が集まり、それが巨大な
光の牙となり、放たれた。
 これが魔理沙の得意技……恋符『マスタースパーク』。
 その光の牙は、耳をつんざくような轟音を立てながら……。
 近くを飛んでいた、チルノに直撃した。

「わきゃ〜〜〜〜〜!? 何でいきなりぃ〜〜〜〜!」

 けたたましい爆音を響かせながら、無残にも撃墜されるチルノ……。
 可哀相に、近くを飛んでいたがために……。

「って、魔理沙。ターゲット間違えてる、ターゲット間違えてる」
「ぁぁぁぁぁぁぁぁ……」
「Hey、よく見て撃たないと危険だぜBoy」
「だから私は女だって……」
「ねぇ、魔理沙。私達、かんっぜんに弄ばれてない?」
「……」
「……しょうがないわね、私がやっつけてあげるわよ。あんな珍妙無力変態
 黒魔術師なんて、私の護符でイチコロよ!」
「一応、あれって私の偽者なんだよな……。珍妙無力変態黒魔術師なんて言うな」
「さぁ、勝負よ!」
「HO〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッHOHOHOHOHOHO!」
「お前ら、私の話を聞けって……。はぁ」


 次回に続く!


第三話「暗黒魔導師 偽魔理沙」

「いたたたたたぁ……。おてんば氷精のチルノよ。も〜っ、何でいきなり撃墜されなきゃ
 いけないのさぁ……。散歩していただけなのに。それはそうと、前回のあらすじって
 ことだけど? ……ぇ、何? この紙っぺら読めばいいわけ? え、もう本番始まっ
 てるって? ええ、え〜と。突如、霊夢と魔理沙の目の前に現れた、謎のアフロ仮面
 魔理沙こと通称偽魔理沙! 戦意を失った魔理沙に変わって霊夢が偽魔理沙に勝負を
 挑む! はたして、ここから先どうなってしまうのか!? って、なんだか簡略して
 あるわね〜。え、普通こういうもんなの? ふ〜ん、そうなんだ……。あ、え〜と
 じゃあ続きを楽しむといいわよ〜。楽しいかどうかしらないけどね」



「全くも〜。今日はほんとおかしな一日よね〜」
「可笑しい? HAHAHAHAHA! それはいい事じゃないか、退屈しないだろ、Boy!」
「うるっさい! 退屈しなくてもあんたが相手なんてお断りよ! とりあえず、今
 この場で封印してやるわ!」
「霊夢〜、頑張ってくれ。私はもうやる気ない……」

 そういうと、魔理沙は何処から取り出したのか、箒に身体を預けてぐったりとして
しまった。
 まぁ、魔理沙がダウンしちゃっても、ここで私が何とかしてあげるわ!

「さぁ、ちゃちゃっと戦ってちゃちゃっと封印よ! どっからでもかかってきなさい!」
「OK、いくぜハニー!」

 そういうと、偽魔理沙は私に向かって突進してきた。
 って、早い! 思ったよりずっと早い!

「しまった、偽ながらも、あんた魔理沙だったわね〜!」

 そう、どうやら、こいつは魔理沙の能力を受け継いでいるようだった。
 なかなか、激しい戦いになりそうだ。
 そうこうしているうちに、偽者はあっという間に私の目前に迫り。

「やばっ、しまった!」

 そして……。
 頬をつっついてきた。

「あーたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたた!!」
「うおっ!?」

 ぷにゅぷにゅぷにゅぷにゅぷにゅぷにゅぷにゅぷにゅぷにゅぷにゅぷにゅぷにゅ。

「やっ、んっ……て、何すんのよ、あんた〜!」
「頬ぷにゅだぜ、Girl」
「わっ、こっ……どこ触ってんだあんた! 離れろ〜!」
「Oh〜〜〜〜〜! 嫌われちまったぜ兄弟、どうするんだよ?」
「お前いったになにやった!? っていうか、兄弟言うな!」

 ぜ〜は〜ぜ〜は〜。
 魔理沙が、ぐったりする理由が何となくわかった気がするわ。
 これはもう、本気を出して墜としにかかった方がいいみたいね。

「もう容赦はしないわよ! くらえ〜〜〜〜!」

 懐から御札を出し、それに渾身の霊力を込めて偽魔理沙に放つ。
 陰陽玉からは、針となった霊撃が、一直線に偽魔理沙へと向かっていった。
 これが、私の武器の一つ、バスウェイジョンニードル。
 連射タイプで、一度的にされたら最後、みるみるうちに体力バーが削られていく、
短気決戦に適した技。
 私はこれで、偽魔理沙を数秒のうちに撃墜するつもりだった……。
 しかし、当の偽魔理沙は、軽々とした動作で私の攻撃を避けてしまう。

「むか〜っ! 何で当んないのよ!」
「狙いがあまいぜ、何やってんの!」
「うるさい〜っ! さっさと当りなさいよ、そうすれば楽になるわよ〜。私が!」
「でも、そうなると退屈になるぜ〜、Girl!」
「だから〜!」
「おいおい、霊夢霊夢」

 私の後ろで、魔理沙がぐったりとしたまま手招きをしている。
 何よ〜、私今忙しいのに。

「仮にも、私の能力を受け継いでる奴だぜ。直に狙う攻撃は私の得意分野だ。
 もっと、バラマキ弾とか、そういうランダム性がある攻撃のほうが落としやすい」
「ああ……そうか。あなた、ブレーキが効かずによく弾に追突してたわよね〜」
「……五月蝿い」

 間違っていない分、どうやらカチンと来たらしい。
 魔理沙は、箒にまたがったまま、ぐるぐるとその場で回転しだした。
 そんなことしてたら目が回るわよ。

「Hey、もう夢の終わりかい? 以外と早いんだなぁ、HAHAHA」
「くそ〜っ、こういう時に限って霊符を持って来てないわね」
「このままじゃラチがあかないぜ」
「困ったわね〜、どうしよう? って、何で魔理沙の問題を、私が解決しなきゃならない
 のよ。なんだか理不尽だわ」
「多分、このままほかって行くと、毎日あいつがお前の神社に遊びに行くぜ」
「……」

 私の顔から、血の気が引くのがよく判った。
 それだけは避けたい、何としても。
 というか、それじゃあ私がもたないわよ〜、まず精神が!

「仕方ない、一片退却しましょ」
「しょうがないぜ」

 こうして、私と魔理沙は体制を整える為、あえて偽魔理沙に背を向けて、撤退を開始
した。
 ただ逃げるだけだとすぐ追いつかれるので、たまにフェイントで弾幕を張りつつ。

「ねぇ、魔理沙」
「なんだよ?」
「こういうのって、戦略的撤退に含まれるのかしら」
「…知らないぜ。少なくとも、物凄い負けた気分になるのは確かだけどな」
「まぁ、ねぇ……」

 どうやら、この戦いはまだまだ続きそうな気がする……のであった。


 次回へ続く!


第四話「逃げたんじゃないぜ、戦略的撤退だ!」

「宵闇の妖怪、ルーミアよ〜。今回、出番はここしかないんだけど、それは昼間の
 出来事だからで、決して地味だからとか、どうでもいいからとか、そんなことは
 ないらしいわよ〜。まぁ、何処かの地味な中国の方よりはマシってことかしら?」
「むかっ……五十歩百歩よ! っと、私は華人小娘、紅 美鈴よ。対戦相手を見惚れさせる
 美しい弾幕を得意としているの。そして、見惚れさせている間に必殺の一撃を
 叩き込むのよ」
「でも、本人は地味だけどねー」
「あんたに言われたくないわ。さて、毎年恒例のあらすじの時間よ」
「強靭な力の前に、なす術もなく屈する霊夢と魔理沙! それをあざ笑うかのように、
 珍妙なダンスを踊りつづけるアフロ仮面魔理沙こと通称偽魔理沙! 二人はこれから
 どうなってしまうのか!? 感動のクライマックスは近い! かもしれない」
「ちょっと、なんだか本編と随分違わない? あんた、もしかしてアドリブでやってる
 んじゃない?」
「あら? 私はちゃんと書かれた紙の内容を読んでるだけよ」
「どれどれ……。うわ、本当だ。随分といい加減ね〜」
「……あ、監督さんがさっさと先に進めろって」
「監督ってだれよ……。まぁ、この先いろんなキャラが出てくるから必見よ」
「まだ先はあるみたい〜。って、作者は完結させる気があるのかしら?」
「さ〜……。それでは続きを楽しみなさいよ〜」


「ふ〜っ……何とか撒いたかしら?」

 逃げ出し始めてから約三時間、とうとう偽魔理沙からの追撃を逃れ、私達は
ようやく一息ついた。

「結局、逃げるのに三時間くらいかかったんじゃないか? しつこい奴だったな」
「あれって、魔理沙の能力引き継いでるんでしょ? ってことは、あなたもあれくらい
 しつこい……」
「わっ……私はあんな性格じゃないぞ!? 第一、しつこいのは能力じゃない!」

 そういうと、魔理沙は箒に乗ったまま手をばたばたさせて否定した。
 まぁ、あんなのが自分の分身というか、同一の能力を持ってるだなんて信じたく
ないのは判るんだけどね。

「適当に逃げてきたから、神社からは随分と離れちゃったわ。どうしよう?」
「とりあえず、腹減ったぜ……。昼、食べてないからな〜」
「あいつのせいで、お昼食べ損ねたのね」
「ぉぅ……というか、今はアイツのこと忘れたい気分だぜ」
「さっき、家が散らかってるって言ってたわよね。それって、アイツが散らかしたの
 かしら?」
「そうだぜ……全く、家にある魔道書とか、引っ切り無しに取り出したかと思ったら、
 片付けずにその辺に投げ捨ててるし……。というか、今はアイツのこと忘れたい
 気分だぜ」

 そういうと、魔理沙は額に手を押し当てて唸った。
 どうやら、その時の光景を思い出して気が滅入ったらしい。

「まぁ、自業自得ね。次は、もうちょっと慎重に物事行った方がいいんじゃないの?」
「お前に言われたくはないって言うか……。だから、今はアイツのこと忘れたい気分
 だって」
「しかし困ったわ。あんな奴が私の神社に入り浸ったら、もう帰れなくなるじゃない」
「……お前、わざとその話題出してるだろ」
「当たり前じゃない。日頃の恨みというか、何と言うか」
「……悪かったよ」

 そういいながら、当てもなくふよふよと宙に浮いている時だった。
 私はあることに気がついたのだ。


「あら、今気付くと、こっちの方角って、紅魔館の近くじゃないかしら?」
「そういえばそうだな。丁度いいじゃないか、向うでケーキの一つくらいご馳走させて
 貰うか」
「ぇぇ〜。何だか、また問題の火種が出てくるような……。第一、今から行くと夕方
 近くになるわよ」
「ぉぅ、ちょうど飯時になるじゃないか。これはますます好都合だぜ」
「ねぇ、魔理沙」
「あん?」

 魔理沙は、箒にまたがってぐったりしながら、気の抜けたような返事をした。
 どうやら、空腹と疲労で頭がうまく回っていないらしい。
 私は、やれやれといった表情で、話を進めた。

「食事時にいくってことは、レミリアの食事に出くわす可能性があるのよ?」
「それがどうかしたか?」
「レミリアの食事って……」
「……ああ!」

 そこで、魔理沙ハッとしたような表情を浮かべて、身を起こした。

「いや、待て、そこから先は言わなくていい」
「で、どうするのよ」
「どうするったってなぁ……。私の家はぼろぼろだし、神社は遠いしなぁ……」
「どっちにしろあなた、自分の家に戻らないといけないじゃない〜」
「今日は勘弁してくれ……。掃除する気力がないんだよ」
「ま〜、判るけどね」

 そういうと、魔理沙は腕を組みながらう〜っ、と唸りだした。
 まぁ、食事といっても直接人間に噛み付くわけじゃないと思うけど、ターゲットを
私達に定められる危険性が無いわけじゃない。
 というか、あのメイドに限ってはそうしそうだわ。

「いや、いい、我慢する。もし食事中でも、見なかったことにする。だから、紅魔館
 にとりあえず行こうぜ」

 あ〜あ、やっぱ頭が回っていないみたいね。

「ほらほらほら、そうと決まればさっさと行くぞ〜」
「私は承諾してないわよ〜。って、ちょっと、無理矢理押さないでよ〜っ」

 こうして、私達は(無理矢理)紅魔館へ行く事となってしまった。
 果たして、どうなってしまうのやら……。


次回へ続け!


第五話「人生の危機への一歩目」

「ふふ、私は久遠の夢に運命を任せる精神、魅魔よ。立場的には、魔理沙の上司って
 所かしら。今回は、魔理沙が随分と大変な目にあってるみたいね。まぁ、私を差し
 置いて目立ってるんだから、たまにはいい薬かしら。まぁ、これからどんな展開に
 なっていくかは見物だな。さて、恒例行事の前回のあらすじってことだが……?
 どれどれ、悪の化身、偽魔理沙から何とか逃れる事に成功した霊夢と魔理沙!
 体力的にも精神的にも追い詰められた二人は、とりあえず戦いの疲れを癒すため、
 紅魔館へ向かい始めた。しかし、災いの火種は既に業火と化し、二人を無情にも
 飲み込んでいくのだった! これから先、一体どうなるのか!? 待て、次号!
 ……って、なんだなんだなんだ!? 次号って、今から始まるんじゃないの? 
 というか毎回毎回いい加減すぎなんじゃないのか、このあらすじって。先行きが
 心配ね……。まぁ、愚痴愚痴いっても仕方ないし、さっさと続きを始めなさい」



 人生の中で、最大の危機とか、命の危険とか、そういう言葉を使うのなら、今がまさに
ぴったりじゃないかな、と私は思う。
 もちろん、その危機とかは、『きゃ〜ん、霊夢ちゃんピンチ〜(はぁと)』といった
ような甘ったるいものではなく、本当に命を失いかねない危機なのである。
 どちらかというと、身体的損傷で命を失うんじゃなく、精神的なものがあると思うけど。
 で。
 魔理沙に無理矢理、紅魔館へと向かわされた私は、太陽が傾き始める時間帯にようやく
目的の場所へと着く事ができたんだけど。
 何か様子がおかしい。
 普段なら、入り口に入った途端、ミス市原エツコこと紅魔館のメイド、十六夜咲夜が、
私達の前に突然姿を現すはずなんだけど……。
 何時までたっても出てこない。
 それこそ、猫の子1匹と出てこないのだ。
 しかし最近、メイド長の感が非情に鋭い。
 この前、魔理沙から聞いた話では、裏口からこっそりと中へ入った途端、背後に現れて
首にナイフを当てられたとか。
 流石ね、メイド長は見た! とかそんなレベルじゃないわ。
 どちらかというと、メイド長は感づいた! メイド長は時止めた! メイド長が現れ
た! メイド長が解決した!? とか、起承転結がなっているとかどうとか。
 まぁ、長い前置きだったけど、本題に入らせてもらうと、堂々と正面から乗り込んだ
のに、何時までたってもメイド長が現れないというのがおかしい、と言うことよ。
 現れない = 何かあった、とそういう連想ができても、今の状況だとおかしくないわ。
 案の定、魔理沙は最悪の事態を予想したのか、顔を真っ青にして立ち尽くしている。
 時折漏れる溜息が、何とも痛々しいわ……。

「……で、どうするの?」
「どうするってもな……。帰るか」
「こらこらこらこら、ここまで来て今更引き返すって言うわけ?」
「でっ、でもな、誰もいないならしょうがないじゃないか」
「まさか、誰も居ないなんてことはないでしょ、ここに限っては……。もしかしたら、
 奥のほうに誰かいるかもしれないわよ?」
「その誰かが、問題なわけだが」
「まっ……まぁ、そうね」

 まぁ、こんな所でじっとしていても仕方が無い、という結論になり、私達は紅魔館の
奥へと進む事にした。
 白い床が、窓から覗く夕日の色に照らされて美しい色合いをかもし出す。
 本来ならロマンティックで凄くいいんだろうけど、今はそんな事を考える余裕という
のが全くないのが残念だわ。
 そんなことを考えていると、館のある一角から、物音がするのに気がついた。

「あら、何の音かしら?」
「ここからだとよく聞こえないな。奥の方だ、行ってみるか?」
「そうね。……あ、こっちは、パチュリーの図書館の方じゃない?」
「ああ、そうか……。ついでだから、本の数冊でも貰っていくか〜」

 そう言いながら、私達はその物音のする方角へ歩を進めていった。
 近づくにつれ、明らかにその物音は大きくなっていった……というか、すでにそれは
騒音の域に達していたのだ。


 ズゴッ! ドドーン! パチュパチュパチュ、しゅぃぃぃぃん、きゅいきゅいきゅい。
 じゅばぁぁぁぁっ! どぅぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃん。

 ……なんなのよ、この音は〜。

「…おい、これは一体なんの音だ!?」
「…知らない。でも、確実にいえることは、ただならぬ事が起こってるのは確かね」

 全く、頭が痛いわ……ぅぅ。
 今日は、本当にろくでもないことばっかりだわ……後で、魔理沙にいろいろ請求しなく
ちゃね。
 何を、と言われると困るけど。
 で、当の魔理沙は顎に手を当てて、探偵が物事を考えるような仕草をしながら、冷静
になんか言った。

「なんか、じゅばぁぁぁぁっ! とか、どぅぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃん。ってところが
 スペルカードを使った音っぽいぜ。前者が敵で、後者が私達な」
「何よそれ……というか、もうどうでもいいわ…」
「咲夜、妖々夢では主人公だからな……、もしかしたら、どぅぃぃぃぃぃぃぃん、てのは
 咲夜かもしれないぜ」
「……本気でそう思ってるのかしら」
「すまん、自信が無いぜ」
「言っておくけど、青筋立てながら言っても説得力に欠けるわよ」
「うっ……五月蝿い」

 そんなことを言っているうちに、とうとう私達は図書館の前についてしまった。
 古めかしい木材で出来た扉が、私達の眼前で威厳を放っている。
 綺麗に手入れがなされている紅魔館の中で、ここだけはまるで別の次元のような、
そんな感覚があった。
 先程よりは幾分静かになっているが、それでもまだ中から物音が続いている。
 どうやら、騒音の元はこの中で間違いないらしい…。
 私は、肘で魔理沙の背中を押しながら言った。

「じゃあ、先頭は魔理沙で御願いね〜」
「なななっ……なんで私が先なんだよ。別に霊夢でもいいじゃないか!」
「……」

 とりあえず、ギロッ、と睨みをかけてみる。
 すると魔理沙は、偽魔理沙を生み出した責任の重さを悟ったのかどうなのか、苦笑い
を浮かべながらドアノブに手を当てた。
 メッキが半分剥がれかけているノブが、カチャッと音を立てた。

「判ったよ私が悪かった。じゃあ……入りたくないなぁ」
「ほら、さっさと行く!」
「判った判った、ほら、ぎぃぃぃ〜っ、だぜ」
「何よその効果音」

 そうして、私達はこの奇妙な音の正体を掴むべく、埃の舞う薄暗い図書館の中へと
入っていった。
 そして、その中で私達を待ち受けていたのは……。

 次回へ続け!

第六話「毒を喰らわば偽魔理沙まで」

「レミリアと」
「フランドールの」
「「人生紙吹雪! ゴッドイズインザテュービーのコーナー!」」
「はいは〜い、というわけでとうとう六話ね、思ったより随分と続くわね、お姉様」
「正直、思いつきで作った作品だから、どう終わらせていいのかヒジョーに困っている
 らしいわ。甘い奴ね」
「というか、あいつ倒せるの?」
「……」
「いやいや、そこで黙るんではなくしてね、お姉様」
「正直、斬っても撃っても血を吸ってもまた沸いて出てきそうな気がするわ。そうね、
 例えていうなら全米震撼ものよ? 吸血鬼を凌駕する人間がこの世に存在するのか!」
「人間かどうか怪しいところだけどね。で、お姉様、迫り来る偽魔理沙、混迷するこのSS
 等を無視して、何か今後の目標なんかある?」
「無視するのかぃ。……そうね、特に無いけど、あえて言うなら霊夢を私の手篭めに……
 うふふふふふふふ……」
「お姉様怖いよ……。ぇーと、というわけで……。しまった、あらすじ忘れちゃったわ。
 まぁいいか。それじゃあ、続きをお楽しみするのよっ! お姉様、鼻血鼻血」
「ふふふふふふふ……」



 私達は、開けてはいけない扉を開けてしまったのかもしれない。
 判っているつもりだ、この扉を開かないと先には進めないし、何も解決しないという
ことを。
 というか、開けないと話が終わらない。
 終わらないといはどういう事かと言うと、この悪夢が延々と続くという事で。
 なんとしても、それだけは避けたい、というか、私達の精神が持たない。
 そんなわけで、魔理沙に頼んで(脅して)その禁断の扉を開けてもらった。
 ギィッ……と軋むような音を立て、図書館の扉がゆっくりと開かれる。
 半ば開けたところで、中から埃やカビの匂いが私達の鼻を刺激した。
 同じ紅魔館の中なのに、どうしてここまで空気が違うんだろうか?
 多分、パチュリーが掃除してもらうのを嫌がってるんだろうけど、全く私には理解の
できない事だわ。
 そうして、その扉が最後まで開けられたときだった。
 私達は、信じられない光景を目の当たりにしてしまったのだ。
 それは……。

「Hey、久しいなビューティフルガール共! ヒャーッハハハハハ!」

 ガツン!
 この世のものとは思えない破砕音を立てて、魔理沙が前のめりになって倒れた。
 ……頭が床にめり込んでいる、あれは骨にまで大分ダメージが浸透してるわね。
 そして私は、予想していたと言え、目の前のいつもとは違う異様な風景にただただ
口を開けて呆然とするしかなかった。

「これは嘘だこれは夢だこれはナイトメアだ悪夢だ虚偽だあばよ勇気宜しく涙
 ぅぁぁあぁぁああぁぁ……」
「魔理沙……。気を確かに持って、現実を見るのよ……」
「嫌だ」
「そんなきっぱりと言わなくてもいいじゃない」
「言いたくなる状況なんだよ、これは!」
「否定しないけどね。……それより、いい加減起き上がったら?」
「い゛た゛い゛ぞ……身も心も」

 ガラガラッ、と音を立てて、魔理沙が立ち上がる。
 額からは、血がどくどくと流れている、まるでギャグマンガのようだ。
 さて、私達の眼前には、偽魔理沙が沢山の本を使ってお手玉を楽しんでいた。
 奇妙で珍妙なダンスを、本棚の上で踊っている。お手玉をしながら。
 その本棚の下では、パチュリーが涙目で『乱暴に扱わないでー』と訴えている。
 当然、偽魔理沙はその要求に答えない。

「Hey、兄弟! 今の時代は、やっぱり魔道書を使ったお手玉に限るぜ! 一緒に
 なって桃源郷ゴッコだBoy!」
「やめて〜」
「何が桃源郷ゴッコだ! というか、魔道書をそういう間違った使い方するな!
 というか私の前に現れるな! というかこの鬼畜がっ! しねっ!!」
「だめ〜」

 焦点の合ってない目で、魔理沙が高笑いを上げながら何やら物騒な事を言っている。
 あ〜あ、とうとう壊れちゃったかしら? 大丈夫、死体はねんごろに鳥葬してあげる
わよ、多分。

「なにっ、お手玉だけでは物足りないとは欲張りだな、ハラショーだぜブラザー!
 だったら魔理沙秘技『コサックダンス』も追加してやろう! ヒャハハハハハ!」

 本棚の上で、魔道書でお手玉をしながらコサックダンスを踊るアフロ仮面魔理沙。
 ……嫌すぎる。
 それに対峙するは、顔から血をどくどくと流しながら、焦点の合っていない瞳を持ち
 口を引きつっている本物の霧雨魔理沙。
 ……恐すぎる。

「ちょっとちょっと! 一体なんなのよ〜あの理不尽で荒唐無稽で意味不明で奇々怪々
 な魑魅魍魎はっ!!」
「凄い言われようね、魔理沙」
「あれは私じゃないっ! 私じゃないんだ〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!」
「Oh! 一体何を言うかと思えば俺の半身よ! 俺とお前は一心同体、二者択一、三人
 寄れば文殊の知恵! 四、五、六と飛ばして七回りシップスクラークか!」
「他人が聞いたら誤解するような意味不明なことを言うな〜〜〜〜〜ッ! 何だ
 七回りシップスなんちゃらってのは! 私は認めん、認めんぞ〜〜〜〜〜!」
「何でもいいけど、あいつが私の本を乱暴にするのよ〜、何とかして〜!」
「だったらまとめてマスタースパーク!」
「だだだだだっ、だめぇ〜〜〜〜〜〜!」
「あ〜〜〜っもう五月蝿い! あんたたちちったぁ落ち着きなさいよ!」
「そうだぜ兄弟! 冷静さを失った時点で勝負は決まる!」
「あんたに言われるとものっすごく腹が立つのよね。とりあえず、さっきのお礼、
 させてもらうわよ」

 じりっ、という音を立てて、私は偽魔理沙に向かって一歩踏み込んだ。
 偽魔理沙は動じない、嘲笑うかのように、相も変わらず珍妙なダンスを踊っている。
 …って、違うわ。
 嘲笑うかのように、じゃない、絶対に嘲笑っている……。
 と、突然偽魔理沙が踊りを止め、本を空中に投げ捨て、私達の方へ向き直った。
 本は、驚く事に偽魔理沙の横に、パタパタパタッと音を立てながらキレイに積み重なった。
 変なところで才能ある……のかもしれない。

「Ok、Girl! ならばこっちも本気を出すとするぜ! ここで問題だ! ビシッ」
「……いきなり何よ?」
「魔理沙の得意技はなんだ? モチロン本物の方だぜ」
「とくいわざ〜?」

 思わず魔理沙(本物)の方に向き直り、顔に手を当てて思考する。

「おい、なんだそのいぶかしげな表情は。しかも何で私に向ける」

 魔理沙の言葉を無視して、とりあえず考える。

「ぅ〜ん、やっぱり動きが早い事かしら?」
「ブレーキも効かないわよね。よく私のシルフィホルンに突撃してるわよ、真横から」
「……」
「他には、言葉遣いが悪いとか」
「一体、どんな教育受けたらあんな風になっちゃうのかしらね〜」
「……(怒」
「後は金髪」
「それって、得意技? というか、動きが速いも言葉遣いが悪いも技じゃないわよね」
「あっ、そっか」
「お前ら、ここぞとばかりに言いたい事言ってるだろ?」
「「モチロン」」
「一体私ってなんなんだ……」
「あっ、判ったわ!」

 パチュリーが、突然手をポンッと叩いて言った。
 どうやら、結構自信があるらしい、フフン、と言いながら得意げな表情を見せている。

「人の技をコピーするのが得意ね。私のレーザー攻撃をそのままパクられたわ!」
「そういえばそうね。ノンディレクショナルレーザーだっけか」
「お前ら容赦ないぜ……ぅぅぅ」

 あ〜あ、とうとう魔理沙が膝を抱えていじけモードに入ってしまったわ。
 人差し指で床に字を書くモーションをとっている、ちょっと言い過ぎたかしら、流石に。
 かく言う偽魔理沙は満足げに頷き。

「正解!」
「正解なのか!?」
「えっへん、私の推理に狂いはなかったわね」
「魔理沙……ご愁傷様」
「ぅぅぅぅぅぅぅぅ」

 魔理沙の化身、偽魔理沙に正解と言われたら弁解の仕様がないだろう。
 ちょっぴり冷たい視線を魔理沙に向ける。
 魔理沙の瞳に一滴の涙が浮かんだ、ああ無情……。

「その通りだぜ喘息! というわけで、俺はとっておきの魔法を人から盗んで編み出し
 た! 今から早速お目にかけよう、目ン玉かっぽじって良く見てみろ!」

 そう言った途端、偽魔理沙の背後から巨大な魔法陣が浮かび上がった。
 魔力が開放され、空気が震撼する、偽者といえど魔理沙の力を持つのだから、
その力は並大抵のことではないだろう。
 それは、私がよく知っている。
 そして、その奇怪な現象は起こったのだ!

「禁忌『フォーオブアカインド』!」
「「「なに〜〜〜〜〜っ!?」」」

 そう叫ぶや否や、偽魔理沙の後ろから3人の偽魔理沙が姿を現し、眼前には世にも奇妙な
四人のアフロ仮面グループが結成されたのだ!

「偽者レンジャイ!」
「偽者レンジャイ!」
「偽者レンジャイ!」
「偽者レンジャイ!」
「「「「五人合わせて弾幕レンジャイ!」」」」
「一人足りないし! しかも全員同じだしっ!?」
「ぁっ……ぁぁっ……ぉ、ぁ……」
「魔理沙っ! 気をしっかり持つのよ! 目の前の幻想に惑わされちゃだめ〜!」
「ぷしゅ〜っ……ばたん」
「パチュリーが倒れた〜っ!? もう一体どうなってるのよ〜!」

 あまりの奇怪な光景に直面し、目が明後日の方向へと向かう魔理沙と、気を失う
パチュリー。
 流石の私も気分が悪くなってきた……絶望的というか、今、外の世界で流行りの
精神的ブラクラとか何とか。
 同じメンツが四人に増え、全員がビシッとポーズを取りながら微動だにしない
弾幕レンジャイこと偽マリサーズ。
 ……いけない、気が遠くなってきた。

「ヒャ〜ッハハハハ!、どうだ驚いたかヤングメン! これが俺達が刹那の閃きで
 適当に考えた必殺技!」
「てっ、てきとうなんだ……。適当にパクられたフランドールもいい迷惑よね……」
「ぉいぉい、冷や汗だくだくだぜ、Girl。ついでにいうと横の黒いのは血がだくだくで
 さらに横の喘息は口から泡がだくだく」
「霊夢……すまん、私、実家に帰らせてもらうぜ……」
「ちょっ、ちょっとちょっと! 私を置いて逃げる気!?」
「はい」
「はい、じゃないわよ! 目の前のを何とかしないと! あんなのが毎日神社に
 来たらそれこそ発狂物よ〜!」
「勝手に発狂してくれ、もうダメだ、私は夢を見ている、夢を見てるんだ。夢を見ながら
 それが夢だと理解することを白昼夢と言うんだぜ」
「それ、絶対違う」
「さぁて、そろそろ参るぜビューティフルガール共!」
「参るな! というか四人同時に喋るな〜っ!」
「イヤッハァ〜〜〜〜〜〜〜!」
「わ〜〜〜〜っ! ちょっと魔理沙、何とかしなさいよ〜!」
「何とかできるもんだったら既になんとかしてる! というか、そんなことさっきも
 言ってたような気がするぞ!!」
「そんな細かい事どうでもいいわ! とりあえず目の前の脅威を……!」

 その時だった。

「ちょっとあなた達! ここで一体なにをやってるの!?」

 私達の背後から、怒号を放ちながら誰かがこの図書館の中へ入ってきたのだ。
 その人物とは……。


 次回へ続くらしい!

寝覚めと共に

出典:虹符「東方シリーズ総合スレッド 12/12」・235,239


「ぅっ……ぅぅん……」
目覚めた魔理沙がいた場所は、何処とも知れぬ小さな部屋だった。
白いベッドの上で寝ていた魔理沙……ふわふわとしていて気持ちがいいな、そう彼女は思った。
しかし、昨日は確かに自分の自宅で寝ていたはず……いったい何が起きたのか?
訳も判らず、彼女は目を瞬かせながら、部屋の中をぐるっと見渡した。
「っ……!」
そこにいたのは……!


偽「Hey、You! そこのビューティフルガール! お目覚めかぃ?」
魔「って、何であんたがそこにいるーーーーーーーーッ!?」
偽「やれやれ、あんまり細かいこと気にするとしわが増えるぜヒャーハハハハハ!」
魔「黙れぇぇぇぇぇっ! マスタースパーク!」
偽「おおっと、ぬるい! まだまだだぜ兄弟!」
魔「…いい加減にしろよ(怒 つうか何が目的だ」
偽「ダンスダンスレボリューション! 今日は歌って踊るぜ極光大破斬!」
魔「しらん!」
霊「魔理沙、無事!?」
魔「霊夢! 助かったぜ!」
偽「OH! 逃がしは(以下脳内で検問削除